介護保険制度の知っておくべき住宅改修6つのポイント⑥

工事の開始と工事終了後の支給の申請

無事に「住宅改修が必要な理由書」が書きあがったら、先に説明した工事の見積書と工事個所が記された図面といっしょに市役所や役場へ提出して、住宅改修の申請を行います。

申請は自治体に書類を提出して行う

住宅改修の申請が通るまでどれだけかかるのかは、自治体によってちがいますが、申請の際に確認しておきましょう。

無事に申請が通ったとの連絡が入ったら、その旨を業者に連絡して工事を開始してもらいます。工事をお願いする際には、工事が終了したら必ずケアマネである自分のもとに、工事の終了の連絡をしてもらえるように、念のために伝えておきましょう。工事終了後に「住宅改修費の支給申請」をしなくてはならないからです。

工事が完了したらモニタリングを行う

工事終了の連絡をもらったら、利用者宅を訪問して工事の本人の生活ぶりや、手すりなどの使い勝手を確認してください。

注意すべきは、単に廊下を安全に歩けるようになった、またはトイレが使いやすくなった、という一面的な見方をするのではなく、住宅改修によって本人の生活がどう変わったかを見なくてはならない点です。「住宅改修が必要な理由書」に記載した、最初の期待通りの生活が送れているか、しっかりモニタリングしてください。

利用者本人の生活が変われば当然、ケアプランの内容も変わる可能性が高いでしょう。いずれにせよ、工事が終わった後の生活が大事なのですから、工事が終わればそれでいい、というわけではありません。

住宅改修後に利用する高齢者

住宅改修費の支給申請

工事が終わったら、「住宅改修費の支給申請」を行います。

支給申請の際に必要な書類として、自治体で必要と思われるものを紹介します。添付書類等については、各自治体で求められるものが違う場合がありますので、自治体の指示に従ってください。

☆住宅改修費の支給申請書☆

1⃣「支払口座を伝える書類」

償還払いの場合、利用者名義の口座、受領委任払いの場合、建築業者名義の口座

2⃣「領収書」

償還払いの場合、全額支払った後で利用者宛に出されたもの、受領委任払いの場合、利用者が1割負担を支払った、利用者宛のもの

3⃣「工事内訳書」

工事の内容が書かれたもの。廊下に手すりを付けた場合、「廊下に横手する取り付け」などと、内容がわかるように書かれているもの

4⃣「改修の前後の日付入り写真」

工事の前後でどこをどう工事したのかがわかる写真です。写真を撮った日付がわかるように、撮影するときは日付を書いた画用紙などが工事をした箇所と一緒に写るようにしてください。

5⃣「図面」

工事の内容がわかる図面です。

6⃣「建物の持ち主の承諾書」

これは先にお話ししました。賃貸の家であれば、建物の持ち主の承諾書が必要ですが、絶対に必要かどうかは自治体によって異なります。

最期に

以上の種類は、いずれも工事を請け負った業者にお願いして、ケアマネが自治体に届ける書類です。その後自治体で審査を行います。

審査が通れば、連絡があり、償還払いの場合は利用者へ、受領委任払いの場合は業者へ、住宅改修費がそれぞれの指定口座に振り込まれれば、手続きは終了です。

以上で住宅改修についての説明は終わりです。